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JF1UBH Homebrew Amateur Radio Station

今どきモノ好きにも 自作無線機での運用と、旧い無線機のレストアを中心に アマチュア無線を楽しんでいます。

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●IC-7300 の A/D 変換器

2015年 08月27日 22:12 (木)

ハムフェア2015 へ、8月23日の日曜日に行って来ました。

目新しいモノとしては、ICOM IC-7300 ですかね。
「RF ダイレクト・サンプリング方式」 ということで、アンテナから BPF を通った高周波信号をそのまま A/D変換して FPGA で処理する回路構成です。

「アマチュア無線機初※」(※主要アマチュア無線機器メーカー)となっています。
既に「ダイレクト・サンプリング SDR 受信機」として、マイクロ テレコム社では PERSEUS が、また フレックス ラジオ システムズ社 では FLEXシリーズ が製品化されていますから、暗にこれらを指して 主要メーカーでは無いという判断をしているのでしょうか。 ” 主要 ” の定義には語弊があるような気もしますが、それはさておきまして。

PERSEUS は、リニアテクノロジー社 LTC2266-14 ( 14BIT , 80Msps ) 高速A/D変換器を使用し、ナイキスト周波数から 10MHz余裕を持たせ 10kHz ~ 30MHzをカバーしています。 web の電子部品販売サイトで、このデバイスの価格を見ると、数量により変動しますが、約6~8千円台です。 もちろん量産時には、もっと安くなりますが それでも電子部品としては高い部類の値段です。 SDR の中でも上位機種ゆえの部品選定かと思います。

FLEXシリーズの中で FLEX-6300 が 30kHz ~ 54MHz カバーですから、IC-7300 と同等です。 FLEX-6300 の A/D変換器は詳細を 調べ切れませんでしたが、マスタークロック :122.88MHz と表記されています。 多分それでサンプリングしているとして、ナイキストを 61MHz に設定していることになります。 価格は約$2500 とありますから、¥120/$として 30万円です。 それなりに しますね。

SDR は、いくつかのタイプがありますが、低価格のモノは ダイレクト・サンプリングでは無く、フロントエンドで ダイレクト・コンバージョンにて ヘテロダインしてから A/D変換しているモノや QSD 方式で I/Q 変換しているモノが多いと思います。
これは、高速,高分解能 A/D変換器の価格が高いためですが、これから普及が進み 価格が下がってくれば 採用する機種が、どんどん増えて来ると思われます。

IC-7300 も 50MHz帯 (~54MHz) までカバーしますから、最低でも倍の周波数 108MHz以上のサンプリングが必要になりますが、ギリギリ 108MHz の場合、ナイキスト周波数は 54MHz になるので、54MHz を超える信号が入力されたとき BPF で取り切れず、折り返し雑音が発生します。
FLEX-6300 と同様 ナイキストを 61MHz 以上に設定しないと、BPF に急峻な特性が要求されるため、真っ当な設計であれば、PERSEUS よりも高速で、FLEX-6300 と同等以上のサンプリングが可能な、高速A/D変換器が必要であることになります。

さて IC-7300 は、どんな A/D変換器を使用しているのでしょうか?
HF+6m SSB トランシーバとしては廉価帯である 13~15万円台の価格を想定しているとのことなので興味が湧き、説明員に訊いてみました。 

私 :  「A/D変換器はどんなモノを使っていますか? 方式は分かりますか?」 
説明員: 「え? 方式?......」 (そのまま5秒くらい言葉が出てこない)
私 :  「あ、良いです!」
2名の説明員の方に訊いたのですが同様の反応だったので、ちょっと質問の内容がマズかったかナ? と反省し、訊くのを止めました。

S/N比や ダイナミックレンジ,近接妨害特性,相互変調などといった、無線機としての特性はダイレクト・サンプリングの場合、A/D変換器のスペック SNR , SFDR等 (※)の AC特性に依存するところが大と思われるので、果たして IC-7300 は如何に?
      ※ SNR  : Signal-to-Noise Ratio
         SFDR : Spurious Free Dynamic Range
         リニアテクノロジー社 LTC2266-14 データシートより引用

一枚ペラの フライヤーには、高性能リアルタイム スコープ と 高C/N特性を実現するために、この方式を採用した旨が書かれていますが、肝心なところが書かれていません。
上市後の評判を聞けるのが、待ち遠しいところです。

それにしても無線機が、どんどん ディジタル化されていくのは、嬉しい様な 寂しい様な...” アナログおやじ ” にとって微妙な気持ちです。
自分は自作でアナログに生きて行きます。 Hi
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