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JF1UBH Homebrew Amateur Radio Station

今どきモノ好きにも 自作無線機での運用と、旧い無線機のレストアを中心に アマチュア無線を楽しんでいます。

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●部品取り TS-511 復活 2.リペア編

2015年 03月09日 12:31 (月)

前回の 1.電源編 では、TS-511S の電源 PS-511S を TS-511D と共用出来るよう セッティングして、電源を入れられる準備が整ったところまで来ました。 さて、いよいよ電源を投入します。

何度も 電源配線をチェックしました。 誤配線で電源を投入すると 最悪の場合は、 PS-511S の電源ユニットがやられてしまうからです。 市販の安定化電源のように出力保護回路が安心出来ないであろうという読みです。

観念したころ意を決して、一か八か ” ON!”。 こういう時の癖で、修理したものや自分で作ったものに初めて電源を入れる瞬間は、無意識のうちに顔をそむけてしまう様になりました。 昔々、試作した基板に初めて電源を入れるとき、基板を まじまじと見ながら電源を入れた瞬間、IC が発熱して プラスティック パッケージが ” パチッ!” と破裂して、おでこに破片が当たり あわや惨事となるところだったので驚いたことがあります。 それ以来の癖となりました。 回路の配線ミスが原因でした。

電源投入後、全神経を集中して五感を働かせます。 今回は、ヒューズが飛んだり、火花や煙また異音や異臭等は ありませんでした。 真空管の場合、特有の臭いがするので 少々ドキドキしながら観察しましたが異常は無さそうなので、取りあえず ” ホッ!” と一息つきました。 やっとのことで、電源が入れられる様になりました。

511_top_550.jpg


真空管の無線機なので、電源を入れても現在の無線機のように直ぐには音が出ません。 レストアやリペアをして最初に電源を入れた瞬間、この ” 間 ” が何とも言えず ドキドキします。 しばらくして、スピーカーから ” サー ” という アンプのヒスノイズが聞こえてきたので、またまた” ホッ! ” と一息つき、その後 「ヨッシャ!」 となります...いい歳こいても。

しかし、アンテナをつないでも何にも聞こえない、残念...と思っていると、「いっけねぇ、IFT のフェライトコアが一本抜けたままだった!」 と思い出して、TS-510 をバラしたときに取っておいたIFT からコアを抜き、511D の IFT ボビンに入れました。
そしてコアを回して 深く入れていくにしたがい、QSO が聞こえてきました。
感度が低いので、後ほど再調整するとして、受信部は一応 生きていました。

それから、各部のチェックを始めると 次から次へ出るわ出るわ、問題が山ほど出てきました。 ここから長い長い 復活再生への苦しみ (楽しみ?) が始まりました。
一つ問題を解決して進むと、また別の問題が分かって行くようなことが続き、「一難去って、また一難」 とは、こういう事かと思いました..大袈裟か。 中でも送信部に 結構手こずりました。 以下、項目と対応した処置内容を羅列します。

 ● 項 目           ● 考えられる原因     ● 処置内容
①共通部
3.5MHz 発振せず       水晶活性度低下    12.395MHz TS510ジャンク交換
28MHz 発振せず        発振周波数経時変化   OSCコイル 2t 巻き足し
VFO周波数が飛ぶ       バリコンローター接触不良    リレークリーナで洗浄
空冷FAN回転遅い       埃の堆積と油切れ      分解清掃と注油

②受信部
感度低い           経年変化 調整ズレ    MIX,DRVコイル調整   
マーカー周波数不安定          分周異常        トランジスタ 交換
振動で受信音にショックノイズ      真空管電極タッチ      6BA6 交換
Sメーター感度調整不安定      感度トリマ ガリ      トリマ 交換
Sメーター "0" 不安定        "0" トリマ ガリ       トリマ 交換
AVRユニット 9V 不安定       9V トリマ ガリ       トリマ 交換
AVRユニット RIT "0" 不安定      RIT"0" トリマ ガリ      トリマ 交換

③送信部
28MHz DRVコイル コアなし    部品取り      TS510ジャンク28MHzコア補充
送受切替えリレー動作せず     リレー駆動トランジスタ不良      トランジスタ 交換
コントロールユニット 電解コン液漏れ      経年変化        電解コン 3個 交換
送信時ALCメーター振り切れ     コントロールユニット トランジスタ ショート    トランジスタQ1 交換
送信時Ipメーター振り切れ     コントロールユニット トランジスタ ショート    トランジスタQ2 交換
送信出力低下         経年変化 調整ズレ      DRVコイル 調整
各部調整ズレ           経年変化     キャリア周波数,キャリアバランス,中和

このTS-511D以外にも、今まで何台か旧いアナログ無線機を直して来ましたが、トラブルになる箇所は大体の傾向がある様です。 原因は、ほとんどが経年劣化と考えられます。

・水晶発振子の周波数変化と活性度低下 (コリンズタイプでは特にハイバンド)
・バリコンのローター側 接触不良
・スイッチ,コネクタや可変抵抗器,半固定トリマ等の接触不良
・半導体(特にトランジスタ)の劣化
・調整ズレ (20年以上の場合、フェライトの透磁率変化がある)
などなどです。

IFユニット
 IFTコア補充と Sメーター感度調整,"0" 調整トリマ 交換

511_IF01_400.jpg


IFユニットの Sメーター感度,"0" 調整トリマ 付近アップ
 "0" 調整トリマは、多回転型にして調整しやすくした。 

511_IF02_350.jpg


AVRユニット
 9V 調整, RIT "0" 調整トリマを共に多回転型に交換。

511_AVR01_350.jpg


平日は作業が出来ず 土日に行いましたので、中々思う様には進まず、大体 2ヶ月位は要したと思います。 全部の項目を処置すると、まったく問題なく送受信が できるようになりました。

受信音は TS-511S と同様に少々甲高いような感じですが、澄んだ音がします。 現在のDSP トランシーバは、ハムショップ店頭やハムフェアでしか受信音を聞いたことがありませんが、それらの印象に比較して ” ゴー ” という音や、モヤモヤ感がありません。
機能を上げるために処理や周波数変換が増えるにつれ、余分なものが付いてくるというのは想像に難くないと思います。 送信出力はダミーロードで 100W 近く出ました。
                           (CW @7MHz) 

ここまでで 大体のリペア作業が終わり、一通りの動作が出来る様になりました。
ところで、ダイアル照明の電球ランプが いつ切れるか分からないので、この際 ついでに 白色LEDに換えようと思い 作業を続けました。
次回へ
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